「売上最小化、利益最大化の法則」という本を読みました。
ポイントを以下に紹介します。経営の参考になれば幸いです。
売上よりも利益が重要
利益が同じなら、売上は少ないほうが経営は安定します。
年商1億、利益1000万円 年商100億、利益1000万円
上記なら、年商1億の方を目指すべきです。
なぜなら、売上はリスクでもあるからです。
・商品数、顧客数が多いとアクシデントの確立も上がる
・固定費も上がるため、売上が下がったときに経営を圧迫する
利益目標を決め、それを達成するための最小の売上を考えるべきです。
利益目標の決め方
経営者の使命は、会社を潰さないことです。
そのためには、売上ゼロでも経営の現状維持ができる期間を確保する必要があります。
利益を出し、手元にキャッシュを置くことで、経営を安定させることができます。
具体的には、アクシデントで売上がゼロになったと仮定して、
①「何ヶ月あれば経営を立て直せるか」という期間を設定
②その期間を乗り切るために必要な金額を計算
③投資はせずに、目標額をコツコツ貯める
④目標額が貯まったら、安心して事業に投資して、利益率を高める
上記の手順を、月次決算時に繰り返します。
利益を生む「5段階利益管理」
利益を以下の5段階で管理することで、利益に貢献していないコストをあぶり出すことができます。
①粗利(売上ー原価)
②純粗利(粗利ー注文連動費)
③販売利益(純粗利ー販促費)
④ABC利益(販売利益ー運営費)
⑤商品ごと営業利益(ABC利益ー運営費)
注文連動費とは、売上が発生するときに必ず発生することストです。例えば通販なら、送料や決済手数料などです。
ABCとは、商品ごとの人件費(Activity-Based Costing)のことです。
運営費とは、販管費から注文連動費・販促費・ABCを引いたものです。
「5段階利益管理」の活用法
この5段階をベースに、自社の経費をどの項目に当てはめるべきか調整していきます。
また、事業内容によって、比較対象を商品ごと、店舗ごと、顧客ごとなどどれを選ぶかも決定します。
そしてこれを月次で比較することで、利益率や額が下がっていれば、どのセグメントのどの段階に問題があるか一目瞭然になります。
利益をデータで把握することで、伸ばすべきポイントや手を打つべきポイントが明確になります。
利益につながる重要な3つのポイント
最後に、実際に利益につなげるためのポイント3つを紹介します。
新人を即戦力にする
社員の教育にコストがかからなければ、それだけ利益率は向上します。
ABC利益率を見ながら、業務オペレーションを改善すると効果的です。
具体的には、
①作業工程を細分化し、分業にする
②作業難易度に応じて、人を割り振る
誰でもできる作業は新人やアルバイトに、経験が求められるなら専門スタッフを配置というイメージです。
社員の成長を待つのではなく、その人が貢献できる場所に配置することで、誰もが活躍できる仕組みができあがります。
マニュアル化する
ABCが高いために利益が出ていない場合、社員の手間がかかりすぎている可能性があります。
作業を「これを見れば誰でもできる」というマニュアルに落とし込むことで、スタッフの負担を軽減できます。
特定の人にしかできない作業が多いと、その人の比重が重くなり、組織がスムーズに動きません。
マニュアルがあることでスタッフのできる仕事が増え、利益率も向上します。
コスト削減キャンペーン
利益を上げるには、売上を作るよりコストを削減した方が早いです。
年1回、管理職(決済者)が集まってコスト削減を議論するキャンペーンを開催します。
ポイントは、聖域を作らないということです。
「自分たちの部署がキャンペーンの議論対象にならないように」というコスト意識が高まります。
また、毎年開催することで、コスト削減のノウハウも社内に溜まっていきます。